スーパーマーケットでは夕方や夜になると総菜や、生肉、魚介類などに「30%オフ」とか「半額」とかのシールが貼られますよね。
それを目当てにくる客もいます。
刺身コーナーでマグロや鯛の刺身が割引になっているのを買うことに引け目を感じる人もいるかもしれません。
「あー、半額マニアと思われたらイヤだな。」
「新鮮さがないだろうな。ましてや腐ってやしないだろうか。」
愚かです。非常に愚かです。
実は鮮魚半額マニアは大変な「美食家」なのです。
夕方から夜にかけて決まってスーパーの半額刺身を購入している人はまず美食家だと思って間違いないでしょう。美食家集団です。
彼らは「30%オフ」とか「半額」とかのシールを見て購入を決めているのですが、気にしているのは値段ではありません。
「熟成」の進み具合を見ているのです。
「30%オフ」ならそこそこ熟成が進んでいるとか、「半額」なら間違いなく熟成が進んでいるなどを判断しています。値段なんて関係ないのです。
「マグロや鯛は腐りかけが一番旨い」。良く耳にしますよね。
芸能人が船上で釣り上げた魚を切り身にして「最高!」などと言っていますが釣り人から見たら信じられません。
死んでからすぐの魚の身を好む方ももちろんいますが、科学的に旨味成分が高いのは死んですぐよりも死んでから適正な時間が経ったもの。
獲ってから最良な処理をして寝かせたものの方が旨いと言えるのです。
そのためスーパーで時間の経った魚は「熟成の進んだ魚」と言い換えることができます。
「やっべーな、もうそろそろこの魚腹壊すだろ。」とスーパーの店員が貼った半額のシールは「熟成が進んでいる」というお墨付きのシールなのです。
先日夜のスーパーに行くとありました。
「熟成お墨付きシール」です。
「よくぞ熟成が進むまで待ってくれた。美食家の鑑だ!」と賞賛せんばかりのシール。激戦になるわけですね。
日本における「賞味期限」、「消費期限」は短すぎると問題になっているそうです。
食料の賞味期限や消費期限の短さは廃棄率に関わります。日本の賞味期限や消費期限はもっと伸ばすべきだという世界からの意見もあるようなのです。
そのため日本では「半額!」なるシールが貼ってあっても他の国では「熟成!」というシールが貼ってあっておかしくないというわけですね。
さっそく半額、いや熟成シールが貼られた刺身を食べてみます。
まずはメバチマグロ。
完全に熟成が進んでいます。臨界点間近です。
うん、しっとり感がたまらない。しかしどう頑張ってもメバチマグロ。メバチマグロの全力を受け止めました。
次に真鯛。
中国産の真鯛。中華4000年の真鯛が日本にやってきました。4000年の真鯛をさらにマックスまで熟成させています。
これもしっとりとしていて美味。腐る直前がうまいとはこのことか。むしろもっと熟成させてもいいんじゃないかと思うぐらいです。
そして例外的にタコ。もはや熟成させた方が良いのかどうかも分かりません。
これは「熟成度80%」。「半額」が熟成度100%ですからまだまだ熟成の余地があります。
岩手県産のミズダコ。モーリタニア産のマダコに勝つことは出来るのか。水っ気がハンパありません。
・・・・・
焼きました。
焼くと最高に旨いですね。屋台の味です。刺身の味については触れないでおきましょう。訴訟が起きます。
皆さん分かりましたね。このようにスーパーで半額の刺身を買うことは恥ずかしくないのです。むしろ、「あいつかなりの食通だぞ!」と噂されるのが恥ずかしくなるぐらいですね。
これからはスーパーの店員についていって「さあ貼れ!熟成認定シールを早く貼れ!」とプレッシャーをかけてみよう!出禁になるぞ!!
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コメント
肉も魚もスーパーの店頭に並んだ時点、すでに流通段階で熟成が進んでい・・・おっと誰か来たようだ。
大丈夫、腐るギリギリを見極めるのです!その方法は誰も知らないのですが…