芸能人が漁師さんの釣り船に同乗して釣れたての新鮮な魚を食べるというテレビ番組がよくありますね。
前からあれはおかしいと思っていました。
芸能人が釣れたての魚を漁師さんにさばいてもらい、
「やっぱり一番新鮮な状態で食べるのが最高ですね!」
(画像はイメージです)
などと言っているのです。
釣り好きの方(フィッシュイーターの方)であればすぐに違和感を覚えるはずです。
「そんなわけないだろう」と。
魚というのは死んだ直後より死んでから1~2日経った後の方が旨み成分(イノシン酸?)がより出ている状態になります。
科学的にもそれは認められていますし、第一食べ比べればすぐにわかるはずです。
あんなに顕著にわかるのにまだこの世では「釣れたてとれたての魚が一番うまい」といったプロパガンダが席巻しているのか・・・
これはいけないと思い、改めて自分で検証してみることとしました。
検証現場は回転寿司屋です。
なぜなら容易に海釣りに出て魚を釣ってくることなどできないからです。
今回の件は緊急性が高いので活け作りをやってくれる回転寿司屋さんで検証します。
まず、活け作りのアジをいただきます。この店では店内の生け簀で泳いでいるアジを注文があるとすぐにすくってさばいてくれます。
体長20センチ以上のアジを刺身でいただきます。
うん、やはり「ブヨブヨ」している。
美味しい、まずいの問題ではなく、「ブヨブヨ」しているのです。
もちろん全ておいしくいただきました。「ブヨブヨ」していましたが。
次にアジの握りを注文します。
どれだけ時間をおいたのかは知る由もありませんが、死後からそれなりの時間が経っているはずです。港近くにある店ではありませんし。
うん、これは普通のアジです。「普通の」というのは日常的に食べることが多いアジの刺身です。
食感は先ほどの活け作りのアジに比べても「ブヨブヨ」感は全くありません。魚自体の旨味も感じられます。
やはり活け作りよりも時間をおいたものの方が美味しい。
なぜあんなにテレビではとれたてのうまさを強調したがるのか。ディレクターが魚のうまさを知らないのでしょうか。
確かに見ている方は「うまそうだなー」と思ってしまいます。ましてや活け作りや釣りたての魚を食べたことがない人はなおさらでしょう。
魚のうまさも知らない若造芸能人が言っているのならまだしも、食通で知られているような年配の芸能人でも「やっぱとれたてが最高!」などと「言わされて」います。
そしてそれを漁師さんは否定しないのです。
おそらく現場では
「釣りたての魚をその場で食べれるなんて最高に贅沢ですね!」
なんて芸能人が言おうものなら間違いなく漁師さんは、
「いや、普段は誰も船上じゃ食べないよ。うちに持って帰って寝かせたほうが全然うまいもん。」
と言い放っているはずです。
しかしその部分は当然カットです。
漁師さん達の主張は受け入れられません。
このような「恣意的な報道」が今後もあらゆるテレビ番組で行われていくでしょうし、それを止める術はありません。
このままでは世の釣り師のイメージが
「毎回毎回高い金を出して釣りに行き、釣った魚をその場でむさぼり食う亡者」から改善されることはないでしょう。
悲しいけど、これって現実なんですね。
せめてテレビを見ながら
「嘘だ!」
「この素人が!魚の味も知らないくせに・・・」と心の中で呟いてみましょう。
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