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三宅島釣り師のメジナ釣法ステテコ釣りとは?【第十三話】モーセK師の爆裂釣行記

20年前の釣りシーンが蘇る!モーセK師の爆裂釣行記
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今、火山活動のため全島避難で大変な三宅島での話(当時)ですが、かれこれ30年ほど前のことですから、こんなことになるなんて思ってもいませんでした。

 

 

昨日(平成17年1月5日)のニュースで、この2月から避難解除で帰島できるようで喜ばしいことです。

 

 

それは夏休みの真っ只中、8月初旬頃と記憶しています。

 

 

例によって島での仕事が終わり、帰京が土曜日・・・ってことは・・・当然磯釣りです。

 

 

今回は父親に磯釣りの面白さを味わわせてやろうと考え、金曜日の朝8時に三宅島に到着する定期船で来島してもらいました。

 

 

 

 

定宿にしている発電所のすぐ近くにある民宿「川徳」で一服した後、宿の主人がクルマで送ってくれた「伊豆崎港」近傍の磯でメジナ狙いで実釣開始です。

 

 

先ずは例によってコマセ撒き作業です。

 

 

ガチガチに冷凍されたアミ(小さなエビのようなもの)の塊を、ポリバケツの中で海水で溶かし柄杓でホイホイと投入して魚を集めます。

 

 

さぁーてタックルのセットも完了したし、コマセも効きだすころだし・・・ハリに餌のオキアミを付けてと・・・ホイッ 第一投!

 

 

そんな時、「ン?なんだこの泡は!?

 

 

ブクブクと泡の行列が対岸の岩場から続いて来るんです。

 

 

なんと、それは魚ではなく、スキューバダイビングの行列だったのです。

 

 

これは誠に非常識な行為で、我々磯釣師をバカにしているとしか言えない事です。

 

 

こちらは高価なコマセを撒いて魚を集めているというのに、そんな中を平然とブクブク行列って一体なんなんだ!

 

 

石を投げてやろうにも磯場にはそのようなモノはないし、上からでっかい声で「オイこらぁ!バカタレ!あっち行けぇーってんだ!失礼だろうがぁー!」とギャーギャー騒ぐしかないんです。

 

 

その時でした。後ろから「あー××大のクラブの連中だよ。ちょうどこの辺りが初心者にいい場所なんだそうだ」と言いながら近づいてくる人がいました。

 

 

年のころ40代くらいのおじさんです。

 

 

そして、「これじゃ釣りになんないから、いいとこへ連れてってあげるよ」と言うのです。

 

 

このおじさんは、釣り好きな島のタクシーの運転手さんで、見るに見かねて声をかけてきたようです。

 

 

地元の釣り好きの人に「間違いなく釣れる」と言われれば行かにゃーなるまい。

 

 

 

 

 

おじさんのタクシーに乗り、ほんの5分ほど走ったところでSTOP。

 

 

磯へと続く小道をと思いきや、そこはゴロタ石(ソフトボール大の石)の海岸でした。

 

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おじさんは「ここで少し沖目へ投げてみな」と言うのです。

 

 

投げろと言われてもオモリの持ち合わせが無いので、その旨を話すとそのおじさん「ん~んしょうがないなあ」と言ったと思ったら、その場ではいていた靴とズボンを脱ぎそしてステテコを脱いだのです。

 

 

おいおい、まさか次も脱ぐ?・・・ンな訳はありません。

 

 

そして、そのステテコをビリビリ引き裂いて、こぶし大の石をそのハンカチくらいにした生地に包み、細めのハリスで仕掛けに結んで、ブンッ!と一振り。(ズボンくらいはけよ)

 

 

シュルルル・・・仕掛けは30~40mほどの沖に着水。

 

 

頃合いを見て、グイ!と竿を引くとオモリを結んだ細イト(ハリス)が切れて餌が漂う(と思う)のでしょうか一発でアタリです。

 

 

釣れ上がったのは30cmクラスの本日の本命メジナです。

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「これから夕方まで釣れるハズだからしっかりやりな。暗くなる前に迎えに来てあげっから。」

 

 

おじさんはそそくさとズボンをはいてその場を去って行きました。

 

 

それから親父と二人でおじさんがくれたステテコの生地がなくなるまで投げ続け、クーラーに入りきれないほど良型のメジナを釣り上げました。

 

 

そして陽が山陰に落ち薄暗くなった6時頃、迎えにきたおじさんのタクシーで「川徳」へ帰ったのです。

 

 

メーター料金にプラスして、ステテコ代を払おうと申し出たのですが受け取ってもらえませんでした。

 

 

おじさん曰く「古くなってボロにしようとしてたヤツだから気にしないでや」。

 

 

どおりで裂きやすくて切れやすく、捨てるための石オモリにピッタリだった訳だ。

 

 

釣果は最高だったし、親父にも楽しい釣りを味わってもらったし、めでたしメデタシ。

第1話から読む

 

 

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