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八丈島の荒磯でのヒラマサ釣り!【第十二話】モーセK師の爆裂釣行記

20年前の釣りシーンが蘇る!モーセK師の爆裂釣行記
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竹芝桟橋から約300kmの太平洋に浮かぶ八丈島での話です。

 

 

それは25年ほど前の10月でした。

 

 

ボクが担当で設計した工事が二泊三日の予定工期どおりに終わり、明日の定期船「サルビア丸」(八丈島10時10分発~20時30分東京着)帰京するだけとなった前夜、「鬼ごろし(島焼酎)」のロックを舐めながら明日の早朝釣りの準備に余念がない二つの影。

 

 

ボク、それと今日まで工事を実施してくれたT社の現場代理人L氏(釣りの経験はない)です。

 

 

部屋の窓をガタガタ震わせる西寄りの風が気になり、なかなか寝付けません。

 

 

 

 

毎度お世話になるこの民宿「大雄(だいゆう)」はボクの定宿で、いつも泊まる部屋の鴨居(部屋を仕切る部分)に釣竿を横にして忍ばせてあるのです。

 

 

その竿にリールをセットし、予備の仕掛けも作り終え、床に入ったのですが・・・眠れん!

 

 

明日の予定としては西側の磯「千畳敷き」に行こうとしていましたが、夕方から吹き始めた西風が治まりそうにありません。

 

 

ならば東側の観光ホテル前の磯にすっかな・・・まてよ、それとも磯はやめて底土港の桟橋のほうがいいかなぁ~・・・なんて考えながら、いつしかzz~zでした。

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宿のクルマ(いつも自由に使わせてもらっているライトバン)に荷物を積み込んで出発したのが、東の空がぼんやりと明るくなり始めた5時少し前でした。

 

 

 

 

相変わらず西風が吹き荒れているので、これじゃ千畳敷きは無理だろうからホテル前だなと決断しました。

 

 

この決断はよかったのですが、あとで女将さんに怒られることになってしまうのです。

 

 

 

 

 

出発してから10分たらずで現地に到着です。

 

 

風が吹き付けているのが西側ですから、予想したとおりその影となる東側は凪。

 

 

内心ムフフ状態で荷物をクルマから降ろし、二人でめざす磯へと岩場の坂道を下ります。

 

 

 

 

磯釣りの第1セオリーのコマセ打ちからスタートです。

 

 

今回はメジナオオカミ(シマアジ)狙いの仕掛けを用意してきています。

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二人分のセットアップが完了して、さあ実釣開始!

 

 

 

 

そのころから風向きが東になり、海がザワついてきましたがボクはL氏に「磯釣りっつーのは少しは波があった方が魚から釣り人の影が見えないし、コマセの散り具合もいいんだよ」って言いながらあまり気にしてはいませんでした。

 

 

L氏は「Kさん、ヤバイから上がろうヨ」と言ったのですがボクは「なぁーに平気だヨ。も少ししたらコマセが効き出して釣れっから」とやめる気がしなかったのです。

 

 

 

 

だんだん風が強く、そして波が高くなりL氏は「荷物だけ先に撤収しとくヨ」と言って高台の方へ移動して行ったその時です。

 

 

 

 

いきなりガツーン!と竿をひったくるような強烈なアタリ!

 

 

そして次の瞬間、ドラグを緩めにセットしてあったリールからジャー!とミチイトがすごい勢いで出ていくのです。

 

 

ボクは思わず「きたっ!ヒラマサだ!」と叫びました。

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リールに200m巻いてある10号のナイロン糸がどんどん出ていきます。

 

 

メジナやシマアジはハリ掛かりすると下へ下へと引きますが、ヒラマサは掛かると沖へ沖へと突っ走るので「磯のスプリンター」とも言われるのです。

 

 

 

 

 

頭の中はもう真っ白状態を通り越して無色の極み!

 

 

100mも出たころでしょうか、竿を垂直に立ててドラグを締めつけイトの出をSTOP!

 

 

磯のスプリンター「ヒラマサ」とファイト開始です!

 

 

30m巻いて20m持っていかれ(引き出され)、60m巻けば40mとまるで水前寺清子の♪三歩進んで二歩下がる♪状態!

 

 

 

 

イトは行ったり来たりですが、獲物は確実に近づいて来ています。

 

 

足元に置いてあったコマセの入ったバケツは、もうとっくに海の藻屑と消えてしまっています。

 

 

 

 

岩影に身を隠しながらのファイトですが、頭から波しぶきを浴び、もうびしょ濡れです。

 

 

そして取り込みですが、L氏が持って行ってしまったためタモがありません

 

 

 

 

ここは一発勝負!竿の弾力に願いを込めて・・・デェヤーッ!

 

 

抜き上げて、飛んできたビンビン跳ねるヤツをシッカと小脇に抱え、竿を肩に逃げるように高台へ駆け上がったものです。

 

 

 

 

 

ゼイゼイと荒息を吐きながら、今までボクがいた所を見て顔から血の気が引きました。

 

 

そこはもう既に身を隠していた大岩さえも、渦巻く荒波に洗われてしまっていたのです。

 

 

 

 

 

「ヤバかったなぁ~ あと1分遅かったらヒラマサと心中だったヨ」とボク。

 

 

「冗談じゃないヨ! オレはもう絶対Kさんと釣りになんか行かんからネ!」だと。

 

意気揚々と宿に帰ったのが8時頃で、朝飯食ってからゆっくり帰りの準備すりゃピッタシだなんて調子で・・・「たっだいまーっ!」

 

 

 

 

女将さんが飛び出てきて、やおらボクに抱きつき「バカバカ!昨日の夜「千畳敷」に行くって言ってたでしょ!今朝の風だとそこは大荒れのハズだよ! 行くとこ変えたんなら変えたでメモ残すなり黒板に書いて行けっての!サイレンが聞こえる度ドキッとするし、電話が掛かってきても怖くってなかなか出れんかったヨ」って声を震わせ、怒られてしまいました。

 

 

 

 

食堂のテーブルの上には、まだムーファムーファと口を開けたり閉じたりのヒラマサが横たわっていました。

 

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後検量60cm3kgの小型(釣師は小型をコマサといい、良型のそれはオオマサといっています)のヒラマサでしたが、ボクにとっては磯釣りで釣り上げた初めてのヒラマサでした。

 

 

 

 

体型的にはブリ、カンパチ、ヒラマサの三種は同じですが体色と側線(ストライプ)が違います

 

 

ブリは青灰の体色に、目から尾にかけて濃い灰色のストライプ。

 

 

カンパチは青茶の体色に、目から頭の方と尾にかけて濃い焦げ茶色のストライプ。

 

 

そしてヒラマサは青色の体色に、目から尾にかけて薄い黄色のストライプ。

 

 

なお、この三種、いずれ劣らぬ美味しい高級魚ですが、ボクなりに順位をつけるならば、第1位:カンパチ、第2位:ヒラマサ、第3位:ブリってとこです。

 

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