いやー、ついに来ましたね。
「国民総先生時代」が。
今は誰もが気軽に本を出せる時代になりました。
漫画、小説、絵本、啓発本、イラスト、どんな種類のものでも出版することができます。本でなく歌でもだせる時代ですからね。
今回は、私が先日発売した「貧乏釣りノベル売上No.1」の「レッツ!ぷあ〜フィッシング」の出版時の体験をもとに、電子書籍を無料で出版する方法を皆さんにご紹介、いや、露呈したいと思います。
こっそりと出版をお考えの方はぜひ参考にしてください。
なお、今回は電子書籍の中でも「小説・ライトノベル」にターゲットを絞っておりますが、他の媒体でも参考にできるところは多いと思います。
文章を作る
小説やライトノベルを出版するのであれば、文字通り小説やライトノベルを作るほかありません。
しかし、これがまた簡単なのです。
用いるのは「Microsoft word(ワード)」でOK。マイクロソフトの文章作成ソフトです。
ご自分のパソコンにwordが無ければGoogleの「ドキュメント」ファイルでもOKです。
重要なのはその後、小説風の構成にすることに少し手間がかかります。
私は携帯電話やタブレットで読みやすいように一文章と一文章の間を一行空けるスタイルでword文書を作成しました。wordなので後から構成し直すこともできますが、大変手間になるのではじめに考えておいたほうが良いでしょう。
「EPUB」ファイルを作ろう
電子書籍を作るには「EPUBファイル」という特殊なファイル形式が必要となります。ここが初めての方には理解しづらいポイントです。
EPUBファイルとは、「電子書籍専用の読み取りファイル」のこと。ほとんどの出版サイトで有効なファイル形式です。
EPUB変換ソフトは通常のパソコンには備えられていません。インストールが必要となります。
色々なところでEPUB変換ソフトはインストールできるのですが、私が用いたのは「LeME」というソフトです。
このLeMEのメリットは、とにかく誤変換が少ないということ。無料のEPUB変換ソフトはうまく変換できるものが少なく、その点で苦労することになります。
しかしこのLeMEはワードファイルをきれいに小説型ファイルに変換してくれるため、大変便利です。
LeMEを使っておけばまず間違いはないでしょう。
日本語のチュートリアルなどのマニュアルも充実しており、多くのノベラーがこのLeMEを使っています。
電子書籍(ノベル)に必要な、表紙、登場人物、本文、後記、おまけページなどを自由に組み合わせて構成することができます。
ただ一つ難点が。
無料版では、原稿の最後にLeMEのロゴが出てきてしまうこと。これのみです。
しかしこれはほとんど気にならないレベルだと思います。最も最後のページに表示されるだけですから。
全体の構成を考える
もちろん本文だけでも良いとは思うのですが、電子書籍の良いところは画像をカラーで入れ放題なところ。
紙媒体の書籍を自費出版しようものならカラー刷りページがたくさんあればそれだけコストはかさみます。電子書籍ならそれが入れ放題。
さらに、おまけページを充実させたりすることで紙媒体の書籍とは一味違ったオリジナル感を出すことができます。
私の電子ノベル「レッツ!ぷあ〜フィッシング!」では「表紙」、「プロローグ」、「登場人物紹介ページ」、「本文」、「著者等紹介」、「イラスト」というような構成にしました。
先程の「LeME」では、これらのファイルを独立させておけば自由な順序で並び変えることができます。入れ替えも簡単にできるので大変便利です。
表紙はどうする?
ほとんどの販売サイトでは、「表紙」が必要となります。
もちろん自分で表紙絵を書ける方ならそれに越したことはありません。タダですしね。
しかし私のように絵心が全く無い者の場合は、自分で何とかして用意するほかありません。
販売サポート会社なるものもあり、文章さえあれば表紙を含め全てを用意してくれるところもあるのですが、いかんせん値段が高い。売れるかも分からないものにそこまで費用はかけられませんよね。
そこでオススメするのが、「イラスト依頼サイト」。今の世の中にはそんな便利なものがあるのです。
格安で希望のイラストを描いてくれる。多くの絵師さんの中から自分のニーズに合った方を選び放題です。
ただし、実績のある絵師さんや、人気の絵師さんになればなるほど料金は高い。表紙絵一枚で数万円かかってしまうものもあります。
また、「著作権関係」や「販売・配布」についても注意しなければなりません。
絵師さんによってですが、著作権を全て放棄してくれる方、料金を追加すれば自由販売をOKしてくれる方など、個人個人の条件提示のページをしっかりと読んで調べましょう。
出版サイトの検討
無料で自作の電子書籍を販売・公開できるサイトはたくさんあります。
みなさんがすぐに思いつくところは「Amazon Kindle」だと思います。このアマゾンキンドルは日本での利用者数No.1。最も使われている電子書籍関係のアプリです。
一番有名だからアマゾンキンドルにする。それも一つの方法だと思うのですが、自分の希望に合った出版サイトを選ぶことが一番重要です。
出版サイトに関して検討しなければならない点は、「印税」、「独占販売」、「無料頒布・レンタル」などですが、これはそれぞれの出版サイトによって全く違います。
以下に主な電子書籍の出版サイトごとのメリット・デメリットを説明していきます。
電子書籍出版サイトごとのメリット・デメリット
Amazon Kindle(アマゾンキンドル)
メリット
・日本で一番利用者が多い
・高い印税(70%)を選択できる
デメリット
・70%の印税をもらうには独占契約とKDPセレクト(アマゾン独自の条件への同意)への登録が必要
この点が人によっては大きなジレンマとなるでしょう。
「一番有名なところで販売できるなら全然構わないよ。」と思われる方も注意が必要です。
なぜなら、
KDPセレクトに登録することによって、「読み放題」ユーザーに無料で読まれてしまうからです。
もちろん、読み放題のシステムを使って読まれたのであっても報酬は多少発生するので、それが良いか悪いかは一概には言えません。「とりあえずできるだけ多くの人に読まれたい」という方には良いかもしれません。
ちなみに独占契約とKDPセレクトへの登録を行わない場合の印税率は35%です。
楽天Kobo(ライティングライフ)
メリット
・独占販売契約をしなくても印税が70%もらえる
楽天Koboは人気のリーダーアプリであり、アマゾンキンドルほどではありませんが多くの利用者がいます。
楽天Koboでは、独占契約としなくても70%の印税がもらえます。そして、アマゾンキンドルと違い、強制的に無料で頒布されることもありません。
本の著作権等に関しての設定は任意で行えますのでよく考えて設定しましょう。
デメリット
・原稿内にリンクを貼ることが一切できない
電子書籍のメリットの大きな点としては、「原稿内に自由にリンクを貼ることができる」ということです。
例えば、無料で書籍を発行し、原稿内のリンクから他のページを見てもらう(会社HP・個人ブログ・自社商品・グッズ販売等)という利用方法も考えられます。
しかし楽天Koboではそれができません。原稿内には一切リンクを貼ることができません。また、原稿内だけで収まるリンクも貼れません。
この点が楽天Koboの利用を考える上での一番の注意点だと思います。
note(ノート)
メリット
noteは文章、音声、イラストなどを自由に配布できるサイトで、最近はとても人気があります。
そして一番のメリットは「印税率85%!」。最大の印税率が全サイト内で最も高いため、選択肢に入れる価値は十分にあります。
デメリット
しかし、電子ノベルを発行する際に大きな障壁が。
「横書きになってしまう」。という点ですね。
noteでは、横書きのブログ風文章の閲覧方式となってしまいますが、その分「直接入力が可能」なのでEPUB変換ソフトなどは不要です。その点は人によってはメリットと言えますね。
BOOK WAKER(ブックウォーカー)
メリット
・小説、ライトノベルユーザーに強い!
ブックウォーカーは泣く子も黙る「角川」直営のサイトです。そのため、小説やライトノベルファンの利用者が大変多くいます。
デメリット
・印税が50%と少ない。
そのため、他の出版サイトとの併用を前提に考えるべきでしょう。
状況に合わせた出版サイト選択方法
ケース1「とにかく多くの人に読まれたい」
・Amazon Kindle
・note(無料)
アマゾンキンドルの独占契約にしてKDPセレクトに登録すれば、読み放題プランを利用している方に読んでもらえる可能性は高まります。
アマゾンキンドルは利用者数も多いため、特に周知方法を持たない方であれば一番読まれる率が高くなる方法かもしれません。
また、noteは利用者数も増えている人気の投稿サイトです。検索キーワードにマッチすればすぐに読んでもらえる可能性は高まります。しかし、ほとんどが無料の文章ですので、お金を取るのはハードルが高いかもしれません。
ケース2「自分のファンに読んでもらいたい」
・note、楽天Kobo(ライティングライフ)の併用
併用が可能な組み合わせで一番印税率が高いのが上記のサイトです。
自分のファンに読んでもらいたいのであれば、他の媒体(ブログやツイッター等)で宣伝を行うことで、直接当該サイトに訪問してもらうことができます。
また、あまり知られていないことですが、
自身のHPやブログに自作品の「アマゾンアフィリエイトや楽天アフィリエイトのバナーを貼ること」が可能です。
これはアマゾンや楽天に問い合わせて確認しました。
自身で周知させる媒体をお持ちの方はどんどんバナーを貼っていきましょう。
そこから購入してもらえるのならば、やはり印税率が高いサイトを選択することが適しています。
ケース3「小説家・ライトノベル作家としてガチで勝負したい」
・BOOK WAKER
そんな強気な方はこれ一択ですね。角川直営のBOOK WAKERには目の超えた読者が多いですから、このサイトで人気になれば評価はうなぎのぼりなはずです。自分自身でのハクにもなるでしょう。
しかしブックウォーカーには独占販売の縛りはありませんからその他の出版サイトと併用することが可能です。なるべく多くのサイトで目につくようにすることが有効でしょう。
裏技
Google Play
グーグルプレイは大変人気のあるアプリショップですが、このアプリで電子書籍を配布することもできます。
しかし、多くのサイトでは「現在Google Playは新規登録を受け付けてない」と書かれています。
それでもとりあえず申請すべきです。
現在は普通に受けてくれますから。別に裏技でもなんでもありませんね。
事前連絡が必要となるので、Google Playでもやたらめったら全ての出版物を頒布するのは制限をかけなければならないと考えているのでしょう。しかし私の場合は普通に申請したら普通に登録手順の説明メールが来ました。
返信が来たメールから登録サイトへ進み、言われたとおりに入力すれば、書籍の販売ができてしまいます。(グーグルやアマゾンは納税方法の設定などがなかなか面倒臭いため、別サイトなどを参考に手続きを進めると良いでしょう)
以上、一般的な電子書籍の出版方法と主な出版サイトのメリット、デメリットを紹介しました。
まずは作品を作る前に、原稿の作成方法や出版方法、出版サイトなどを検討しておくことがスムーズな電子書籍の出版に結びつくことでしょう。試し読みが無料でできる電子書籍も多くありますので、色々な作品を見ておくと良いかもしれません。
さあ、みんなも自分の作品を世に出して、私のように「エセ先生気分」を味わおう!
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