~これはさすらいの管釣り師「管 釣太郎」による、管理釣り場の食事処をめぐる物語である~
川場キングダムフィッシングの生姜焼き定食【孤独の管釣りグルメ①】
午前中の宮城アングラーズヴィレッジは大興奮だった…。
何せこの私が今まで釣ってきたブラックバスの数を超えるほどの爆釣を見せたからだ。
このままずっと永遠に釣っていられる…。否、やっぱり…、
腹が減った…。
やはり私は生粋の釣り師と呼ばれるにはまだまだ未熟である。たまらず食事処「すずみや」に飛び込んだ。
宮城アングラーズヴィレッジの受付、釣り具販売、食事処を兼ねているのがこの小屋である。
ゆったりと座れるこの木のテーブルとイスが疲れた釣り人を癒してくれる。
さあ、メニューを一通り見てみようか。
食事は基本的にそばとうどんがメインであるが、から揚げ丼も人気があるそうだ。「ハンバーグカレー」なるものもある。
しかし私はそば、ここでは冷やしそばしか食べたことがない。
なぜなら、私はここのそばの「冷たさ」が大のお気に入りなのだ。
ここのそばは冷たい。しっかりとそばを冷やしてから提供してくれるのだ。冷やしそばがぬるければそれは興ざめ。冷やしそばには圧倒的冷たさが求められているのだから。
おそらく調理を担当している者は生粋のそば好きだろう。そばが好きであるからこそそばの冷たさにこだわるのだ。今度そば談義でもしてみたいものである。
今回も当然「冷やしざるそば」を注文する。並、大盛り、特盛と3サイズ用意されているが、普通に食したいならば「大盛り」を注文すべきである。
大盛りサイズが成人男性の普通サイズに思える。大盛りを食したいならば間違いなく「特盛」を注文すべきだ。
私は今回は大盛りを注文。本来であれば特盛を注文するのが筋なのだが、今回のメインはそばではない。これである。
「山崎屋 炭火串焼き」。宮城アングラーズヴィレッジの名物と言えばこれである。
これは通称「山ちゃん串焼き」という、名物スタッフの山ちゃんが手掛ける豪快な串焼きだ。
炭火を入れた窯でじっくりと焼き上げる。そのため、とにかく時間を要する。実は私は昼になる前にすでにこの串焼きを注文しておいた。
串焼きはまだ完成していない。まずはざるそばが先に提供される。
のりがたくさん盛られているのが嬉しいところだ。
さらに私が気に入っているのがこのわさびだ。
少し入れるだけでも辛みが強いため、全てをつゆに溶かしてしまうと思いがけないムセを誘発する。お年寄りや子供には十分注意したい。
まずは唐辛子のみで食す。
冷たい!やはり期待どおりの冷たさだ!
今は12月。外は寒い、小屋の中は暖かい、そしてその中でこの冷たいそばをすする。これがたまらないのだ。
次はわさびとねぎの薬味を入れて…、
ゲ、ゲフンゲフン!
しまった。やはり最初からわさび全入れはおすすめできない。少しずつ入れるべきであったのだ。
しかし進む…、決して手打ちなどを売りにしているわけではないのだが、この冷たさと喉越しの良いそばは、私の食道をただの用水路代わりに使ってくれる。私の脳は完全に支配され、胃にそばを運ぶという行動をただ淡々と続けるしかできない。
おっと…!「蕎麦マリオネット」となった私を人間界に呼び戻す者がいた。
串焼き完成の放送である。
見よ!この長さ!これは「スペシャル串(ジェノベーゼ味)600円」。色んな肉を楽しみたい私には最適の串だ。
まずは先端の豚肉から。
「うおっ!」
思わず声が出てしまうほどの柔らかさだ。なぜだ。前回の川場キングダムフィッシングの豚肉といい、今回の豚肉といい、上州の豚のレベルはいったいどうなっているんだ!?上州豚開発戦争は激化の一途をたどっている。
噛めば噛むほど肉汁があふれ出す。しかし喉が強制的に吸い込むことを要求してくる。おいおい、これでは大岡裁きだ。口内と喉で豚肉を引っ張り合っているぞ。
あえなく喉に吸収されてしまった。無念。
次はウインナーにとりかかろう。
皮がパリッとしていい食感だ!このバジル味のソースとも良く合う。このソースをからめたソーセージを幼稚園児くらいの子供に与えたら永遠に食べ続けるのではないだろうか。ぜひマックナゲットのソースに「アンビレバジルソース」を加えて欲しいものだ。
この間に入ったネギも食感良く串焼きの味を引き立たせてくれる。
ネギの名産地群馬であるからか、やはり良いネギである。このネギは肉と肉の間の脇役ではない。レギュラーが下手うったらすぐにでもポジションを奪い取ろうとしているサムライジャパンのリザーブの闘志が感じられる。
そしてまたも至高の豚よこんにちは!感動の再会である。
まるで「お見合い回転寿司の2週目」のようである。意中の人にまた会えた感動。それを疑似体験させてくれる。
そしてやってきたチキンの荒波!怒涛の鶏肉エリアである。
やはりチキンとバジルソースの愛称は抜群。もはやバジルはチキンに会うためにイタリアから日本に来ていると言っても過言ではない。私の背後ではジローラモが微笑んで見守っている。
チキン、ネギ、チキン、ネギ、幸せの連続攻撃が続いていくと思いきや…、
嗚呼…、幸せは長くは続かない。もうなくなってしまった。
おや…?こ、これは…!
エクスカリバー!?
なんと、串焼きを制した勇者に与えられたのは聖剣エクスカリバー。心清き肉猛者が勇者になることを認められたのだ…!
長かった…、ロングな山ちゃん串焼きが提供してくれた長く感動的なストーリーに最後まで熱中してしまった。
終わった…。
エクスカリバーに勇者の盾(ざる)、ミスリルヘルム(そばつゆ器)などの神器が全て揃い、大満足したところで現実に呼び戻される。
なぜならこれらのエキップメントは全て返却して午後のフィールドに飛び出していかなければならないのだから…。
川場キングダムフィッシングの生姜焼き定食【孤独の管釣りグルメ①】
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コメント
グリーン様
相変わらずのクオリティ!
ざるそばと山ちゃん串の組み合わせがカオスで良いですね。
ヘルシーにソバと思いきや、ガッツリと肉も・・・。
選びきれない20代女子といった所でしょうか・・・。
串がボリューミーなので蕎麦は大盛りで我慢しました。しかしその後特盛にしなかったことを強く後悔しましたよ…。
グリーン様
MAVでの山ちゃん串焼きは頼まなければ本当に損ですよね!?
そしてあのバジルソース!
あれが、主役なのか脇役なのか分からなくなってしまいますよね。
ただ、あの日のグリー…いや、管 釣太郎の食いっぷりは凄かった。
エクスカリバーのくだり存分に笑わせていただきました。
エクスカリバーには驚きましたね。輝きですぐにわかりました。
しかし管釣太郎もなかなか知名度が上がってきましたね。グリーンよりも管釣太郎を定着させるために頑張ります。
MAVの山ちゃん串焼き…美味しいですよね!ジェノベーゼソース、大好きデスよ。
山ちゃんオススメソース(山ちゃんの気分?)にするとどんなソースで提供されるかわからずワクワクさんです。上がジェノベーゼで下が辛味噌とか出てきますよ
私はいつも2本注文してしまいます。
なぜって?二刀流見参をするためです笑
なんと!エクスカリバー2回攻撃のアビリティを会得しているとは…!
しかし私は貧乏性なのでアンビレの冷たいそばも楽しみたいのです…!
しかしメニューに「山ちゃん串用ライス」を用意して欲しいですね。それなら心置きなく二本頼めます!