~これはさすらいの管釣り師「管 釣太郎」による、管理釣り場の食事処をめぐる物語である~
新シリーズ【孤独の管釣りグルメ】開始!超ニッチなカテゴリーにチャレンジ!
今日の川場キングダムフィッシングは曇り空。かなり冷え込んでいるが雨が降らなかっただけでもありがたい。
午前中のペレットタイムをものにできなかったことが悔やまれるがそんなことより…、
腹が減った…。
受付兼食事処のあるログハウスに入る。いつ見ても雰囲気の良い場所だ。ロケーションだけで十分「休日」を実感させてもらえるこの川場キングダムフィッシングだが、さらに幸せを充足させる要素がここにある。
それは…、「食事」だ。
「食事」に力を入れている管理釣り場はそれほど多くはない。しかし管理釣り場に「食事」は重要だと個人的には思うのだ。
月に一回しか釣りに行くことができないアングラーもいるだろう。そんなアングラーに「特別な休日」を提供するためにも食事は重要である。
いや、それは建前で単に私が食に執着があるというだけかもしれない。
そんなことを思いながら本日は何を食べようかとメニュー表を見る。
カレー&カツカレー。
とんかつ定食。
そば&うどんにカレーそばなんてものもある。
これは豚丼。豚を使ったメニューが多いのだが豚を売りにしているのだろうか。
しかしやはり今日はこれを食べるべきである。「生姜焼き定食」。
女将曰く、「生姜焼き定食が一番出ていますよ」。そう、川場キングダムフィッシングの一番人気のメニューだからである。
皆が「川場キングダムフィッシングの生姜焼き定食は旨い」と言う。そんな生姜焼き定食を今まで食していなかった自分を恥ずべきであろう。
しかし今回はついにその生姜焼き定食に挑戦できるのだ。気合を入れて注文をする。
「生姜焼き定食大盛りで。」
そう頼むとすぐに席を立つ。目的は電子ジャーの中だ。
特製のコンソメスープ。冬期はこんなものをサービスしているなんてありがたい。
コーヒーを始めとしたホットドリンクも数多く取り揃えてくれている中、このコンソメスープはひときわ輝きを放っている。
いわゆる「ポトフ」的なスープであり、野菜もふんだんに入っている。体が暖まるだけでなく、川場キングダムフィッシングのもてなしの気持ちが伝わる心温まる逸品である。
おっと、今回もご飯は大盛りにしてしまった。コンソメスープはほどほどにしておかないと完食できない危険に見舞われる。具だくさんにしたいところだが、自制しておこう。
しばしの後、ついに生姜焼き定食見参。
見よ、このフォルム。生姜焼きが主役であることを目一杯主張している。
まずはその主役、豚の生姜焼きをいただく。隣にあるマヨネーズを少々付けてからかじりつく。
こ、これは…!
「この柔らかさ!豚じゃない…!?」
いや、確かに豚だ。しかしこの柔らかさに違和感を覚えてしまった。
たまらず店主に尋ねる。
「この豚はなんですか?」
「上州豚です。」
上州豚。やはりご当地のブランド豚だったか。私の中での生姜焼きとは、「固くてなかなか噛み切れないもの」。近所の食堂で食べる生姜焼きはガチガチの固い肉を強引に引きちぎって食すというイメージだ。
もちろんそれも醍醐味の一つであるのだが、この上州豚の食感の心地良さには驚きを隠せない。
程良いやわらかさで噛みごたえもある。噛めば噛むほど味がにじみ出てくるように計算された肉質である。
そしてこのタレがまたそれを助長する。生姜が効いているのに優しい甘みがある。噛めば噛むほど肉の味とタレの味が絡んでいくのだ。
この上州豚はメス…?この包容力はメスの上州豚が織りなす業なのではないか…?
もしこの上州豚がメスだとしたら、一般的に男性が女性を卑下する時に用いられる「メス豚」という言葉への認識と意味を今すぐに書き換えるべきである。
柔らかさと優しさ、そして味わい深さ。全てを兼ね備えた包容力のある女性のために使われるべきなのではないか。上州豚はジャンヌ・ダルクさながら、今まさに日本に革命を起こさんとしている。
そしてマヨネーズも効果を発揮する。人間が欲する「プラスワン」を期待通りに加算してくれるのだ。いや、「ガッツリ男飯」への理想を実現するための補助魔法、ドラクエでいうと「スクルト」的なものと言える。
たまらずご飯をかきこむ。
ん…?こ、これは…!
米が崇高な輝きを放っている。これもご当地ブランドか…?地元のブランド米「川場米」なのか…?店主に質問するタイミングを逃したことが悔やまれる。
炊き加減も計算されている。生姜焼き定食のガッツリ感に負けないようにちょうど良い硬さで炊き上げているようだ。これは同じガッツリ感のあるカレー類などにもマッチするようになっているのだろう。
これらを口の中でミックスさせた感想をこんな簡単な言葉で表現することに申し訳なさを感じるのだが…、
っんまい…。
駄目だ。すぐにまた生姜焼きに箸を伸ばしたくなる。しかしここをこらえて小鉢に目を向ける。…おや?何だ…?
見慣れない葉っぱが小鉢を埋め尽くしている。
何だこれは…?春菊をシャキッとさせたような…。いや、春菊とは全く違うものだ。
その葉っぱを目にして狼狽していると、相席している男性が「それはわさび菜だよ」と。
わさび菜!?初めて耳にする名称である。
わさび菜か。わさびというから辛味があるのか…?思い切って口にしてみると…、
妙味…!やはり初めて食べるものだ!
わさび菜というがわさびの辛味があるわけではない。しかし一瞬、しかも微量の刺激を感じた。
クセは感じない。むしろさっぱりしている。シャキッとした食感にこのさわやかな刺激。まさにサラダに最適な食材ではないだろうか。
これはもっと世に広めるべきである。パクチーのようなクセがあるわけでもなく、しかしかなりのインパクトを持っている。サラダ好きであればこの食材を放っておくはずがないと思ってしまうような、「インディーズアイドル」的な存在と言えるだろう。
現代のサラダ戦国時代においては思わぬ伏兵。ドカベンでいうと殿馬的な存在感をも漂わせる衝撃の食材であった。
さて、定食の重要なサブウェポンは「みそ汁」。これには異論が無いであろう。
この定食のみそ汁には豆腐とわかめに加えて「油揚げ」が入っていた。
「みそ汁に2種類を超える食材を入れると味が濁る」という昭和ガンコ親父の思想を私は真っ向から否定する。みそ汁には何種類でも具材を入れて良いのだ。
だって、それの最終型、フリーザやセルの最終形態にあたるのが「豚汁」や「けんちん汁」なのだから。
豚汁やけんちん汁を否定する日本人などまずいない。いや、それを否定する日本人は逆に日本人として否定されてしまうほどの異端児と言えるだろう。
よって、いくらでもみそ汁に具を入れて良いという私の主張は多くの支持を得るはずだ。
そんなことを考えながらも私の箸は止まらない。生姜焼き定食を食する動きは生姜焼き定食が無くなるまで止まらない。まさに「生姜焼き定食サイボーグ」と化した。「生サイ」と呼んでくれても構わない。
くっ…、夢の時間は短い。生姜焼き定食の夢心地は間もなく終焉を迎える。
そしてついに終了。10万人の観客が延長戦を望む中、残酷にもノーサイドの笛が鳴り響いた。
もし世に言うタイムリープという現象が本当にあるのなら別次元の私を見に行きたい。きっとこの生姜焼き定食を食しているだろう。いや、食している自分でありたい。
こうして食欲、空腹、夢や希望、全てを満たした私には、皮肉にも新たに強烈な欲が襲いかかる。
それは…、睡眠欲である。
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コメント
グリーン様
良い感じにオマージュされてるー!
そのうちカレーだらけになりそうな予感…。
面白いです!
ありがとうございます!まあ味よりギャグに走っている感がありますが…。
これからは私は心を鬼にしてカレー以外にしますよ!
グリーンさん。おはようございます。
KKFは連続してカツカレーを食べました。次回は生姜焼きですね。
上州豚、ガチで美味しいですね。
あれは衝撃的でしたね!
上州豚シリーズ制覇まであとは豚丼のみです。
しかしカレー蕎麦が食べたい…!
グリーン様
五郎さんが生姜焼きをかっこむ姿が目の前に広がりましたw
シリーズ化面白いですね。
次回も楽しみにしております。
なぜか相席者として登場させてしまいました。
一人設定となっていますからね…。
キングダムさんのご飯美味しいですよね♪
ご飯の硬さがめっちゃ好みです(笑)
自分は
カツカレー特盛
生姜焼き定食
豚丼
を食べてますから、次はうどん大盛り当たりですかねwww
カツカレーうどんとか無いかなぁ。。。
ご飯の硬さいいですよねー!米がすごく良いからでしょうね。
カツカレー特盛ってキロいくんじゃないですか…?私は大盛りでもギリギリでしたから!