キャッチアンドリリースは虐待か
徳川綱吉が生類憐れみの令をお達ししてから現代まで、動物愛護の要請は時代を追うごとに強くなっていきますね。
当然です。今や家族同然のペット。一方的に叩いたり傷つけたりすることは人道的にもまずいことですね。
では、釣りにおけるキャッチアンドリリースってどうなんでしょうか?
基本的に魚釣りは「狩猟」の1種。魚を釣って食べることが古からのならいです。
しかし現代では、「キャッチアンドリリース」なんてナウでヤングな言葉が世に浸透しています。
魚を釣り上げてから逃がすという一見矛盾した行為ですね。
このキャッチアンドリリースという行為、明らかに「虐待行為」ですよね。
魚を釣り上げてから逃がすと端的に書きましたが、リアルに記述すると「魚を釣り針にかけて散々水中をのたうち回らせ弱らせてから捕まえて針を外して解放する」ということですから。明らかに虐待行為です。
よく、「ゲームフィッシングは虐待じゃない!魚と遊ばせてもらっている神聖な行為だ!」なんて論争を目にしますが、このようなことは論ずる余地はありません。諦めましょう。
100%虐待行為ですから。
ゲームフィッシングは人間のみが行える「キングオブエガー」な遊び。これを認められなければスタートさえできません。
魚の虐待は問題にはならないの?
しかしこの遊びをしていて今まで逮捕者が出たり、大きな批判を浴びていたりするニュースは見たことがありませんね。
例えば魚を猫に置き換えてみましょう。
釣り針にエサを付けて猫が咥えたところに鬼アワセ。逃げ回る猫が弱ってくるまで竿をいなし、網でキャッチして針を外して逃がす。
ツイッターなら100万リツイート級の問題動画となりますね。
「大丈夫、魚の口には痛覚が無いんだよ。」
そもそも論点を履き違えています。虐待とは行為に対して咎められるべきもの。例えば、言葉が理解できない人に罵詈雑言を浴びせて「言葉が分かってないから大丈夫だよ。」という理屈は通りませんね。ハラスメントとはまた違ったものです。
動物愛護法の適用は?
では、ゲームフィッシングにおける魚のキャッチアンドリリースは、動物への虐待を防止する趣旨が含まれる有名な法律、「動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)」に抵触する行為なのでしょうか?
動物愛護法では動物に対する虐待行為を広く禁止しています。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit1″ width=””]第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。[/ip5_ornament]
また、「愛護動物」を虐待した者には罰則も定められています。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit2″ width=””]第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。 2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。 3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。[/ip5_ornament]
では、その「愛護動物」の定義に魚は含まれているのか。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit3″ width=””] 4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。 一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる 二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの[/ip5_ornament]
含まれていません。
動物愛護法で罰則が定められている動物には「魚類」は含まれていないようなのです。
良かったですね。これで安心してキャッチアンドリリースができますね。
法に触れていないのだから堂々とやって良いのです。悔しかったら訴えてみろよというオラオラな態度で釣りができますね。
キャッチアンドリリースへの批判には
では、キャッチアンドリリースでゲームフィッシングを楽しむ人が、外部の人間に、「キャッチアンドリリースは虐待行為だ!」と抗議されたらどうすれば良いのでしょうか?
答えは…、
「ああ、そうですね。」です。
「虐待行為を承知でやっていますよ。何か?」というスタンスで臨むしかありません。そういった人間と論争をするのは時間の無駄ですから。
いくらキャッチアンドリリースが魚への虐待行為だからといって、それを罰する法などありませんから。シカトしておけば良いのですね。
釣りはキングオブエガー。その中で、できる限りの努力をする。魚を丁寧に扱い、なるべく負担をかけないようにリリースにこぎつける。外部の人から見たって理解してもらえるわけがない行為に尽力するのです。
それが釣り人の魚に対する敬意と言えるでしょう。しかしこの敬意を他人に理解してもらおうとしてはなりません。徒労に終わるだけです。
我々釣り人は変態。外部から見たらパンツをかぶった変質者なのですからそれを自覚して釣りを嗜みましょう。決して理解してもらおうとしてはならないのです。理解してもらおうとするからひずみが生じるのです。
これで肩の荷が降りましたね。解放された気分で一杯やりましょう。祝杯です。
残虐な行為と認めた上でできる限りの努力をする。はっきり言ってこれが限界なのです。胸を張って限界と宣言してしまいましょう。
さあ、今回もクレームは全く受け付けないぞ!クレームが来たら真っ先に削除して気づかなかったフリをするので構わないようにしよう!
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コメント
「ああ、そうですね。ハハハ…」はなんて言ったらいいかわからないときには最強の言葉ですよね。
お葬式の時の挨拶「この度は…(ゴニョゴニョ…)」と同じですね。
「で、あの話ですが…。」と話題を変えてしまえばもう闇に葬ることができますね。しかし世の市民警察がキャッチアンドリリースに飛びつかないとも限りません。依然警察の動向を注視ですね。
まぁ確かにですね…
スポーツフィッシング…
釣り=スポーツの図式は成立しないと個人的には思います。
狩猟の延長で、趣味になりレジャーに。
仮にスポーツフィッシングにするなら、ルールの相互理解が必要なら相手の魚にもルールを理解させる必要があるのでは?
…と思う(・_・;
なので、グリーンさんに賛同しまーす。
釣りや狩猟に倫理を求めたらキリがないですからね。
「楽しいからだよ。フフーン。」と割り切るのが長生きする秘訣ですね!
グリーン様
そうなんですよね。
動愛法では魚、虫、両生類は含まれていないんですよね。
まぁ、私はペットも釣りも命を背負う業を担っていますから丁寧な扱いは心掛けないといけないと思ってます。
釣り=狩猟とみなすなら、グリーンさんの提唱する食育が一番当てはまると思います。
「なぜキャッチアンドリリースをするのか?」を子供に説明しろと言われたらなかなか難しいですね。
私は、お前ら子供が何を考えるか問うためなんだよ!と逆ギレしましょう。子供の成長のためにトラウトは存在する説です…。
グリーンさん。おはようございます。
私の釣りの原点は、キャッチ&キープ(飼育)でした。小学生の頃はモツゴを釣って金魚鉢に入れて喜んでました。そのあとは堤防釣り。キャッチ&イートです。そしてバス釣り。ここで初めてキャッチ&リリースを知ることに。理由はバスは食べないから。食べないからリリース、理にかなっていますね。
そんな事を考えるとやはりキャッチ&リリースは虐待ですね(笑)。
一方キャッチアンドイート論を極めてしまうと、魚食べなくても生きられるだろ論や点滴で生きろ論になってしまうのでこんなこと宇宙人から見たら目くそ鼻くそ、いや、五十歩百歩、いや、ガン玉1Bと2Bなのです。
そもそも生まれて来れなかったはずの魚をこの世の生を受けさせて、無理矢理虐待して楽しむ。
フォアグラの家鴨の比じゃない位の虐待ぶりですね。
しかし魚にとっては、野生の生存競争よりは緩い「管理釣り場」と言う「過保護」ともとれる池で、食べるのに不自由しない飼育をしているので、多少の虐待は許されると思います。
これからも楽しい記事、楽しみにしています。
大丈夫。キャッチアンドリリースを否定する人だって一度は大食いチャレンジで敗北して多量の廃棄をしているはずですよ…。
うちの嫁は「魚なんて生臭くて大嫌い」なんて暴言を浴びせつつ内蔵まで食べますからね。文句言われた魚も何も言えません。
グリーンさんこんにちわ、言われてみれば虐待ですね(^_^)全然気にしたことがなかったです。釣り人は変態(笑、ですね理解してもらうのは不可能。釣りに行ってボウズは魚に優しい釣り人ですかね( ^ω^ )今日はゼロキャッチゼロリリースイェーイ笑笑、心折れます。釣れない釣りばかりやらせた結果うちの家族は釣り嫌いです。魚に優しい釣りと教えればよかったのかな〜(悲)
ゼロキャッチゼロリリースが最も世の中に優しい釣りというのは新発見ですね。里見発見伝です。
自分しか犠牲にならない釣り…。私もそれを目指していきましょう!
グリーン様
魚でやっていることを哺乳類でやったら大炎上!!
えぇ・・・、確かに。
分かりやすい―!!!
現代の釣りって「食材確保」と「釣りとして遊ぶ」の面がハッキリ分かれていますからね・・・。
その点、管釣りは「食材として育てられた魚をリリース」という良く分からない状況になっていますが・・・。
ただ、正しくリリース(触らない、水からあげない、大気中に長時間出さない)した魚はきちんとその後も成長していくデータはあります。
リリースするならダメージを最小限にして、魚の寿命を縮めないようにしたいですね。
クレーンゲームのイセエビも世間の批判を浴びましたが、あれもイート目的の小さな管釣りですからね。
市民警察は自分が思った可愛そうという第一印象で無差別テロを繰り返す一番のハッピーガイですからね。
トラウト類に比べて、へらぶなは食べることが皆無に等しい生粋のゲームフィッシュなわけです。しかしリリースが問題になったことを聞いたことがありません。人工的に作出された魚種なのに、環境問題にもとりあげられません。魚食性では無いからでしょうか?
練り餌による水質悪化は深刻な問題です。
虐待では?と言う前に、釣りというわれわれの狩猟本能を満たす行為が自然に与える影響を考慮すべきだと思います。
自然へのリスペクトがあれば、少なくとも釣りという行為に於いて「虐待」という言葉とは無縁かと思います。
「一部の心無い人」にならないよう、楽しく釣りをしましょう!
※ちなみにへら釣りは中学生のころにへらニュースに載るほどの腕前でした。
ヘラ釣り!キャッチアンドリリース派に究極の後ろ盾ができましたね。
キャッチアンドリリースを否定するものは日本古来のヘラ釣りを否定する。いわば日本の高齢者を虐待するようなものです。完全に逆転しました!
グリーン様
難しい問題ですね。
視点を変えて客観的に見れば残酷な事かもしれません。
私達釣人に出来る事は命を尊重し、おいしく食べてあげたり、いかにダメージレスでリリースしてあげる事でしょうか。
もう「宇宙人から見たらガン玉1Bと2B論」で押し切りましょう。
いくら頑張ってもIKKOに「残酷〜!」と言われてしまったらおしまいのご時世ですからね!
何かに一石を投じる様なテーマですね。
凄い極論ですが家畜の屠殺(とさつ)場などで動物を苦しまないように殺すのは「人間様」の欲を満たす為だけの行為であり「愛護」でも「虐待」でもありませんが、現場を生で見た人はまず「残酷」だと感じるはずです。
優しく殺すってなんだ?ですよ。
※音楽:残酷な天使のテーゼ by 高橋洋子
例えば、これが魚類だとどうでしょうか?
食べられる為に産まれた家畜とは違う、漁業で「今年はサンマが豊漁です!」と船で大量の何千匹もの秋刀魚が水揚げされる様を報じられたとしても「うわぁ~残酷だわぁ」って感じる人は少ないのではないでしょうか?
しかも、なんなら家畜も魚も野菜も人間様は腐ったら、余ったら、廃棄を平気でしてますよ。
実は地球にとって人間自体の存在が癌細胞みたいなもので、「愛護」「虐待」は勿論「エコ」だとか「地球に優しい」なんて只の正当性を理由付けする「言葉」だけなのかもしれません。
とはいえ、その人間の傲慢も含めて全てが「自然」や「文化」という都合の良い言葉も使える訳ですが・・・
って壮大なテーマで語り出せば、食べる為に産まれ育てられたお魚をゴミ箱も設置されている管理された施設でお金を払って釣りを楽しむ「管理釣り場」って地球に優しいエコロジーかもしれませんね☆
屠殺現場は「子供に見せたいNo.1現場」になってもおかしくないと思うんですがね…。
しかし管釣りエコロジー論は面白いですね!人間の釣り欲を満たし、自然の魚を釣らないように管理された釣り場とそのために生産された魚が必要。ジャンプでいうと「約束のネバーランド」的発想で面白いですね。必要悪というやつでしょうか。
はじめまして、こんばんは。
いつも楽しく読ませていただいてます。
虐待と言われれば、そうでしょうね。そこは、認めましょう。
でも、綺麗にリリースしてあげれば魚は死にません。漁で獲られたあげく、誰にも食べてもらえなかった魚達より無惨なことにはならないでしょう。
あと、動物愛護とかを騙る市民警察に言ってやりたいです。「動物を愛護する金と暇があるなら、まず我々を、パワハラとか様々な社会的ストレスから愛護してくれ!」と。
動物よりも虐待されている人間は山ほどいそうですね!サラリーマン虐待防止法も作っていただきたいです。
私も魚の写真を撮っている手前、「魚の肖像権侵害だ!」なんて市民警察に言われた日には泣きますね。
こんにちは、通りすがりで古い記事にコメントを失礼します。
私は、動物愛護主義者ではなく、釣り人です。管理釣り場を含めて様々な釣りをし、釣りの競技会にも何度も参加しました。
この記事は、釣りという行為の一側面を語る有益なもだと感じますが、コメント欄では、自己肯定が先行する発言が多く、釣り人の状況分析の低さにげんなりさせられます。
昨今の社会における動物保護運動や倫理観の形成により、釣りが糾弾される日がそう遠くないのは明らかです。その時は、記事にあるようなキャッチアンドリリースを前提とするものや、釣るために人工養殖した魚を池に放つ管理釣り場などのいわゆるゲームフィッシングは、真っ先に批判のやり玉にあがるでしょう。
私は釣りが好きですし、今のところ続けていくつもりですが、人間が自然に与える悪影響や他の生き物を保護すること(感情的にも)は、大切なことだと思っていて無視することができません。実際には、多くの釣り人が、人より多く自然に触れ合ってきたからこそ、同じことを感じていると思います。
日本は遅そうですが、釣りの是非が強く問われる時代は必ず来ると思います。そのときまでに、釣り人が、釣りの方法や魚の取り扱いについて、妥当な意見を提示する必要があります。さもなければ、釣りは簡単に大幅な規制をされ、衰退させられるでしょう。なにしろ、社会には釣りをしない人が圧倒的に多いのですから。
まあ、堤防に外道の魚やゴミを放り捨てるような輩が釣り人にはたくさんいますから、一枚岩どころか、身内から出た錆で瓦解、釣りが規制されると予想しますがね。残念です。