H30.10月にオープンを迎える東京都の豊洲市場。
今回は開場準備を進めている豊洲市場の見学ツアーに参加してきましたのでその様子をお伝えしたいと思います。
豊洲市場の全体像
場所はゆりかもめ線「市場前駅」から徒歩数分。
しかしこのゆりかもめ線市場前駅。当然豊洲市場がオープン前なのでガランとしています。
豊洲市場がオープンしたら大混雑になるのでしょうが、まだ店なども無く、ひっそりとブレイクを待ち続けています。
管理施設棟
豊洲市場の全体の広さは「40.7ha」。東京ドームの約5つ分だそうです。西武ドームでも大体同じくらいでしょう。
築地市場が23.1haとのことなので倍近い広さとなります。
中央にある管理施設棟で見学についての説明を受けましたが、この館内も未だ内装工事が続けられていました。
館内には見学者用のパネルがあり、豊洲市場の概要がわかるようになっています。
衛生面を考慮し、見学者はこの靴カバーを履かされます。私のような不届き者が秘密の菌をまき散らさないようにということですね。
本日メインとなる見学コースは水産卸売場棟及び水産仲卸売場棟、屋上緑化公園です。
青果棟は除外されています。関係者かよほどのマニアしか見たがらないのでしょうね。
水産卸売場棟
まずは水産卸売場棟から。いわゆる「セリ」が行われる花形の場所です。
全5階で構成されており、かなりの大規模な作りとなっています。
見学者にも見やすい案内があり、築地市場に卸された過去最高サイズのマグロのオブジェがまばゆい存在感を放っています。
見学通路から見えるのはマグロのセリ場。ここに巨大なマグロ達が運ばれ仲卸業者に競り落とされるのですね。
セリ場の壁紙は四季を現したと言われる四種の和柄がデザインされています。2020向けですね。
こちらは「マグロ以外」のセリ場。なぜ床の色が違うのか。
スタッフの説明によると、マグロは尻尾を切って肉の色で善し悪しを判断するため、手術室などと同様、血の色が見やすい緑色にしてあるとのことです。ためになりました。
なんと、今見たセリ場に実際に降りることができるとのこと!オープンしたら見学者は絶対に入れないゾーンだそうで、開場前の特権です。人生でセリ場に降り立つことなんてもう二度とないでしょう。
入口前には消毒のできる手洗い場が。
ドアのオープンもセンサー式となっており、手を触れないで移動できるよう衛生面に配慮しています。
まずは一帯を見渡せる見学ゾーンから。実際にセリが行われる時のイメージ画像もありました。
いざ降り立つ!
やりました!市場に無関係な人間がセリ場に降り立ちました。まるで月に降り立った気分です。
スケールがヤバい…!圧倒的広さです。ガランとしているのが怖いぐらいですね。
先ほどの和柄、2020狙いの和柄の壁も直接見ることができました。
床面の説明を受けます。緑の床面には100分の1ほどの傾斜があり、水が排水口に流れ落ちる仕組みとなっています。また柱の角も直角ではなく丸みを帯びており、水がたまらないような造りになっているとのことです。細かい部分も考えられているのですね。
マグロを乗せるスノコ。今は木製ではなく金属製のものが使われているとのことです。
ちなみに「大物」とはマグロ類の呼び名だとか。1本単位で売り買いされるマグロ類を大物と呼ぶのですね。
次はセリ場から外へ移動します。
トラックから館内に魚を運ぶための駐車場。かなりの広さです。
この自動シャッター、ビニール素材でできており、シャッターが開くと同時に冷たい冷気が上から吹き出すというハイスペックな代物。中の温度管理に配慮した造りです。
こちらの搬入口も、上からトラックのコンテナに合わせてカーテンが降りてきて、冷気を逃さない仕組みになっています。
今度は白い床、マグロ以外のセリ場へ移動します。
開場までに抗菌仕様のマットに張り替えられるとのこと。徹底した衛生管理ですね。
白い床から緑の床へのセリ場は隣同士。ここからは「大物」の貼り紙で表示されています。
セリ場同士はやはりビニールシャッターで区切られています。小窓の演出がニクイですね。
マンホールのフタにも2020狙いのニクイ演出が。排水ごとに外国人が好みそうなワードが書かれています。
次にマグロの解体場に移動します。
ちょっと怖めの手術室の様な部屋。ここで競り落としたマグロを小分けできるそうです。
ビニールシャッターを開けて移動します。この巨大なビニールシャッターが開閉する瞬間は圧巻です。軽量を生かしてかなりの速さで開きます。
水産仲卸売場棟
次は「水産仲卸売場棟」へ移動します。仲卸業者が水産卸売場棟でセリ落とした魚を飲食店業者等の小売業者に売る場所ですね。
水産卸売場からの連絡通路は圧巻の広さ!かなりの通行量となるのでしょうね。
水産仲卸売場に到着しました。まだガランとしていますが、オープンされればものすごい活気になるのでしょう。
なんとこれで一区画!ウニ等の単体商品を扱う業者などはこの一区画だけで商売をするそうです。
繋げて間借りする業者も多くいます。明りの付いているスペースで「三区画」分、右側の扉で仕切られている部分が一区画分です。
すでにほぼ全ての区画に業者が入っているようです。恐ろしいほどの数ですね。間違いなく迷子になりそうです。
こちらは場内の通路。歩行者用はこのように細い通路。
ターレ(運搬車)が通るところはこのように広い通路となっています。
ターレとは市場で使われる小型の三輪運搬車。「ターレットトラック」のことです。小回りの利く市場に適した乗り物ですね。
面白いのが地上の道路のように運搬車と歩行者で歩道が分けられていたり、横断歩道があったりするところ。
歩道は分りやすくタイルを貼っています。
ターレ通路
画像奥に見える運搬車用通路で上の階と下の階を移動します。この通路も面白い。
左側の一車線が「降りる通路」、右側の二車線が「登る通路」となっています。荷物を多く積んでいるターレに「登坂車線」的な通路が用意されているのでしょうか。
実際に多くの検証を行って作られた道路のカーブ部分。
このいろは坂的な急カーブをドリフトなしでクリアしていくターレの往来の姿は圧巻でしょうね。
我々見学者は「荷物用エレベーター」で上の階へ移動します。
巨大…!この圧倒的スペースのエレベーターで一度に大量の魚を移動させることができるのですね。
屋上緑化公園
最後に屋上緑化公園へ移動します。
圧巻!!お台場レインボーブリッジから東京タワーまでを見渡せる屋上はまさに100万ドル!100万ドルの日景です。
「水産卸売場棟」及び「水産仲卸売場棟」は一般客が入ることはできませんが(見学スペース除く)、この屋上緑化公園は一般客も行くことができるとのこと。ここは人気スポットになりそうです。
レインボーブリッジ、東京タワー、富士山まで確認することができました。残念ながら東京スカイツリーは建物の陰に入って見ることはできないそうです。
なんと真向かいに見えるのは2020東京オリンピックの選手村!現在急ピッチで建設が進められています。各国の選手団も多数豊洲市場でお土産を買うのでしょう。
一般客向け施設
屋上緑化公園も一般客が入ることができる施設ですが、その他も一般客が楽しめる施設が多くあります。
魚河岸横丁
「魚がし横丁」と銘打たれたのは一般客用飲食店&買い物フロア。
まだシャッターが閉まっているので実感が湧きませんが、オープンすればものすごい数の客で殺到すること必至でしょう。
見学設備
一般客も楽しめる見学設備。
先ほどの巨大マグロのモニュメントや、
管理棟には見学用の部屋もあります。
また、管理棟には飲食店のテナントも数多く入っていました。
その他、一般来場者が自由に行き来できるスペースもあり、色々な展示で楽しめます。
全90分の長い行程でしたが、大変充実した見学内容でした。
さあ、平成30年10月11日にオープンを迎える豊洲市場。盛り上がりを見せることができるか!!
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