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大増水の池で鯉の吸込み仕掛けをぶっ込んでも…【チャンMの敗北】

増水前の池 基本ボウズ!ポンコツ実践記
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チャンMとの吸い込み釣りへの憧れ

中学生の当時、頻繁に通っていた小さな池がありました。

 

私とチャンMはブラックバスがいるのかどうかも分からずスピナーベイトを投げたり、ダイワのコネリーⅡを投げたりしていた池です。

 

チャンMとは当時私達の「釣りのカリスマ」として君臨していた同級生です。数々の伝説と事件を残し、すでに我々の間では神格化されていました。

 

 

この池の底は泥状。それは確実に知っています。

 

隣接する歩道から角度30度の斜面を自転車で駆け下り、池にダイブしたことがあるからです。

池にダイブする

 

臭い泥状。Tシャツの匂いと色が決して落ちることはありませんでした。

 

そんな小さな池ですが、鯉は確実にいます。

 

チャンMはパン釣りで71cmの鯉を仕留めましたし、後日私もパン釣りで71cmの鯉を仕留めたことがあるからです。

パン釣り用エサ

 

「同じ鯉なのでは…?」という疑問は二人には全く浮かびませんでした。

 

 

 

当時、鯉を釣るのはパン釣りか「吸込み釣り」しか知りませんでした。吸込み釣りとは螺旋状のアナーキーな仕掛けを使って遠投する釣り方です。

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二人は吸込み仕掛けを所持はしていましたが使ったことはありません。もちろん小さな池で吸込み仕掛けをぶん投げることはできませんし、ぶん投げる必要もありませんから。

 

しかしいつか吸込み仕掛けで鯉を釣ることを夢見ていました。

 

 

大増水の池に見たものは…

そんなある日、私の住んでいる地域に記録的豪雨が降りました。

 

小さな川は氾濫し、高度が低い土地では浸水しているところもありました。

 

我々二人はサッカー部に所属していました。次の日曜日には練習試合が予定されています。

 

 

土曜日にすでに雨は止んでいましたが、おそらくグラウンドは使用不能でしょう。連絡網により、日曜日は部活動が中止となりました。

 

 

 

すると、すぐにチャンMから電話がかかってきたのです。

 

 

 

「あの池がすごいことになってるぞ!」

 

 

我々が足繁く通っていた小さな池が大増水していると言うのです。

 

 

その池の形状は、公園の一角にある、周囲が芝生の丘で囲まれている形になっています。

 

普段は300㎡ほどの広さでしたが、大増水したことにより5000㎡ほどの大きさの池になっていました。駆け上がりになっている歩道にも水が覆われそうな勢いです。

増水前の池

(この図で歩道まで水が到達しそうなイメージ)

 

 

そんな現場になぜいるのかと言うと、チャンMの電話の続きが、

 

 

「吸込み釣りができるぞ!」

 

だったからです。

 

 

当時の二人は馬鹿でしたので、「どんなに池が大きくなろうが魚の数が増えることはない」という計算式が全くわからなかったのです。

考えこむ人

 

吸込み釣りで鯉が爆釣できると思い込み、日曜日にその池に向かっていたのでした。

 

 

 

圧巻…。普段の池の原型がわからないほど巨大な池となっています。

 

二人は喜び勇んで吸込み仕掛けを投げました。

 

 

この時使用した吸込み仕掛けのオモリは10号。鯉の吸込み仕掛けは中通しオモリを取り付けて遠投させることが特徴です。

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「ブンっ」

 

 

私の顔を何かがかすめました。黒い何かでした。

 

 

「ご、ごめん。」

 

 

チャンMの放った仕掛けは投げの成熟度を欠いていたため、私を15歳で天界に行かせるほどの勢いだったのです。

 

 

残念でしたね。あの時オモリが私の頭部を直撃して死んでいれば、皆さんはこんなク○ブログを読むことは無かったでしょうから。

 

 

 

そんなことはさておき、吸込み仕掛けには全く反応がありません

 

当然です。池の大きさが10倍以上になったのに魚の数はそのまま。魚口密度は過疎地レベルとなっていますから。

過疎地

 

池の主が巨大化するわけでもありません。池の主がいたとしても、そのままの大きさでどこかわからない場所で寝ていることでしょう。

 

 

沈黙の二人に送り込まれた刺客

 

「なかなか釣れないな。」

 

時刻は9時。開始から一時間が経ちました。

 

 

すると、遠方からチャリを漕いできた中学生が一人。

 

 

 

「やっぱりここに居ましたか。」

 

 

この中学生はN。サッカー部の一つ後輩です。

 

 

Nは当時、「この池にブラックバスはいない」という、誰もが分かっていながら我々の夢を壊す発言を平気で放ったため、ポリバケツに入れられて蹴りまくられるという、サッカー部の伝統行事「無抵抗フリーキック」を受けた果報者でした。

 

 

そんなNがなぜこんなところに来たのでしょう。

 

 

「今日、練習試合をやることになったから、先生に探してこいって言われたんです。」

 

 

家族にも行き先を告げていなかった二人はピンポイントで居場所を突き止められました。行動パターンが完全に読まれていたのです。

推理

 

二人は無事確保され、試合会場に送還されました。自転車カゴにはぶっとい竿が刺さっています。

 

 

 

ユニフォームは用意されていましたが、スパイクも無くアップもせずに試合に出されたため、パフォーマンスは最悪です。

 

 

当時突破率10%だった私の必殺技「万里の長城」も次々と突破され、大敗北を喫しました。

ドリブル突破

 

しかし顧問の先生からは釣り場から直接試合会場に来た手当として「アクエリアスの2リットル」が配給されたので満足だったのでした。

 

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コメント

  1. たけのこ より:

    コロナで荒んだこんな時代にピッタリなほっこり話ですね、ありがとうございました。よく分かりませんがなんか今夜は良い夢を見れそうです。

    • グリーン green より:

      オチが弱すぎるから封印していた話を放出してしまいました…。これでチャンMシリーズはひとまずの終焉を迎えました。

  2. グリーンさん。こんにちは。

    コネリー!懐かしいですね。私のタックルボックスにまだ入ってます。
    道具が揃ってなく、知識もあまりない中学生くらいの頃の方が今より釣りが楽しかったかもしれませんね。私はラトルトラップをつけて印旛沼の新川で1日中テクトロしていました。

    • グリーン green より:

      ラトルトラップ懐かしいですねー。あれば良いルアーです。根がかりしたら一時間は粘ってましたからね。今は3分で諦めてしまうなんてとんだ贅沢ですね。

  3. sin より:

    初めまして。

    最近こちらのブログを知って楽しく読ませていただいてます。

    自分は釣り歴も浅く、朝霞ガーデンデビューを躊躇している軟弱ものですが、グリーン様の釣行記を参考にいつか行ってみるつもりです。

    このようなご時世ですがお体ご自愛ください。

    • グリーン green より:

      案ずるより産むが易しの朝霞ガーデンですね。私なんかでも全くの苦手意識がないから大丈夫です。
      まあ一匹釣れたら完全勝利ですからね…。
      よい反面教師にしてください!

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