前回のあらすじ
TOMIJIカップはユッケ兄の優勝で幕を閉じた。しかしまだまだ308クラブはこれで終わらない。食料目当ての釣り部のもとに幸福は訪れるのか…!
308クラブ悪魔の洗礼!「麻痺・毒・武器破壊」の恐怖のステータス異常が襲いかかる!
本日は相当数のサクラマスが入れられているとのこと。貧乏釣り部が腹を空かせてやってくるという良からぬ噂を聞きつけた308クラブのスタッフさんが多量に放流してくれたそうです。
所々でサクラマスが多発!サクラマスオンリーでの持ち帰り者は大喜びです。
たてよこななめ氏の元にも多量のサクラマスが上がりますが、いかんせんたてよこななめ氏は「リリース券」をチョイスしているので持ち帰ることはできません。私は308の流し場の猫のようにたてよこななめ氏の隣で物欲しそうに眺めます。
昼食後、強い雨が降り出したため、私は受付小屋で待機です。この強雨の中、賤しきサクラマスハンター達は一匹でも多くのサクラマスを!と必死に釣り続けます。
ついに私は車の中に籠もりました。完全籠城戦に持ち込みます。よほどのネタがないと車内から出ることはないでしょう。
すると、池のほとりでなにやらざわつき始めました。しかし私は動きません。
車のバックミラーで見ようと試みましたがざわつくみんなは死角となっています。
「仕方ない、車を出るか…。」
重い腰を上げ、ざわつきの元へ赴くと、なんとそこには巨大モンスターが!
釣り上げたのはユッケ氏。サクラマスだけでは物足りず、大物を狙い続けたユッケ氏が開花しました。イヤシンスの花が開いたのです。
なんと「60.5cm」!スチールヘッドとのことです。昭和の頑固親父「スチールヘッド」。池の奥底からこの頑固親父を引きずり出すとは。
私も大物かサクラマスを持ち帰りたい。強雨の中、極裏ルートで仕入れた「ザ・メタル」を投入します。
メタルバンドの代表曲を集めたアルバムのような名前のルアー。下には「B-SPARK」と書かれていますが明らかに「ザ・メタル」が正式名でしょう。
ユッケ氏に教えてもらった「メタルバイブの引きの動き」により、底にいるビッグワンに誘いをかけます。ちなみにこの動きは私の完全なオリジナルであり、間違っているそうです。
しかし乗せる!底にいる大物を引きずり出したか!
な、なにぃ…!?
完全勝利と思われましたが私が釣り上げたのはライン。切られたラインにザ・バイブを引っ掛け、見事魚をゲットしました。
口からラインを出しているニジマス。しかしまだかなり元気な様子です。
「ということは…?」
とある予感により、このニジマスをランディングネットに入れたまま急遽流し場へ持っていきます。
メス。ニジマスの腹を割きます。勝手に緊急搬送したニジマスの開腹手術を行うのです。
や、やはり…!!
Dr.グリーンは唸りました。
やりました。やはり予感は的中しました。
ニジマスの胃から摘出されたのは「ディスプラウトのベビーバイブ」。しかも美品です。賤しい貧乏アンテナが高級ルアーを探し当てたのです。
難しい緊急手術。「ニジマスの胃の中にディスプラウトのベビーバイブ」という世界でも珍しい症例の手術を見事成功させました。無論ニジマスは死にました。
その後は満足。「エキセントリック」というロブの高級ロッドを使わせてもらったから満足。
そのロッドでバベルの「バベキンカラー」や「ザ・メタル」で釣れたから満足。
そしてサクラマスがリリース池で釣れたので持ち帰れなくても満足。
今回も完膚なきまでに308クラブを完全攻略しましたね。大逆転の貧乏技により奇跡の大団円となりました。涙を流しているものはいませんでした。
さあ、残るは恒例の「孤独の管釣りグルメ」だ!今回はなんと管釣太郎が幻の魚を食す…!
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