~これはさすらいの管釣り師「管 釣太郎」による、管理釣り場の食事処をめぐる物語である~
終わった…。全てが終わった…。
今日、ここ川場キングダムフィッシングでの全ての使命が終わった。
本日は川場キングダムで釣った魚を子ども達に送るというトライアングルレインボーという活動を行った。
ニジマスとニジマス釣り師が子どもたちと子どもたちを支援している人達の役に立てる。こんなに嬉しいことはないではないか。こんな活動を考えた人は天才であることは間違いない。
送るニジマスのノルマは達した。総勢9名もの人達が協力してニジマスを無事遠方の子ども達に送り届けたのだ。
ということで全てが終わった今、急激に腹が減った…。
ここ、川場キングダムフィッシングは魚の味のみならず食事の味にも定評がある。今回はどんなメニューにしようか。
…!!な、なにぃ!?
前回には見なかったメニュー「カツ茶漬け」だと…?
これは即決まった。カツカレーと迷ったが即決まった。そばダブルにしても良いかと思ったが即決まったのだ。
カツ茶漬けを注文する。
カツ茶漬け。いくら私のような食事的弱者でも聞いたことがある。
「トンカツにお茶をぶっかける」。この行為に一歩後退りしてしまう理由は「もったいないから」。経済的理由であまり頻繁に食べられないトンカツはソースか卵とじでなければもったいないと感じてしまうのだ。
しかしトンカツにお茶をぶっかけられるというのはある意味生活に余裕のある人の行為。たまにはセレブな行いをして周囲の人間を威嚇してみるのも良いだろう。
来た…、これが新メニュー「カツ茶漬け」か…!
大きなカツの上にふんだんに海苔が乗せられている。ワサビが添えられているのも嬉しいところ。
このポットにはお茶が入っているのだろうか…。かなり熱々だ。
まずはカツをそのまま食べてみる。
おお…、やはり肉厚だ。
上州豚を使っているという川場キングダムのカツ。分厚いカツは一口で入りきれないほどのボリュームだ。
ソースか醤油さえあればこのまま食べきってしまいそうではあるが、それでは「素カツ丼」でしかない。
早々に本来の姿「カツ茶漬け」に仕立て上げるとしよう。
ポットから注ぎだすと…、
こ、これは出し汁だ…!
ポットにはお茶ではなく出し汁が入っていた。熱々の出し汁をカツにかける。とても良い香りだ。
まずジャバジャバと出し汁に漬かったご飯をかきこんでみる。
おお…、うまい…。
この大きい器がまた良い。私は大海に浮かんだ大きな島(カツ)を目指して泳いでいくチャレンジャー。未知の世界へ飛び込むのだ。
これだけアッサリしたカツを味わうというのもなかなか無い。丼の中がもっと油でギトギトするのかと思ったが、まるで油が浮くような感じもないのだ。
飛び込んだ海は時化ではなかった。完全な凪であったのだ。新たなチャレンジャーに大海は怒り狂うことなく寛大な心で迎え入れてくれた。決して塩辛くない海。ワサビの風味が優しく漂う。
無我夢中で出し汁の海を泳ぎ、そして幻の無人島へたどり着いた。そして無人島を制覇した後もチャレンジャーは出し汁の中を泳ぎ続ける。
理由なんていらない。「そこに出し汁があるから」だ。
泳ぎ切った。毎度川場キングダムの食事のボリュームはすごいと思わせるが、カツ茶漬けも例外ではなかった。
「川場村にも海はあった」。川場村役場にこの報告を持って駆け込みたいぐらいだ。誰も信じてくれなくていい。このキングダムの受付小屋でカツ茶漬けを食べたみんなだけの秘密にしておこう。
カツ茶漬けはまだ誰にも知られていない「ブルーオーシャン」。自分しか見つけられないワンピースを求めてまた管釣り場を巡ることとしよう…。
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